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悪魔や悪霊、怪異や魔物などを退治する職業退魔師―――

そんな不思議な仕事をしている女性、笠原小道とその相方である九尾の狐ハクエンの2人から始まる物語――――
2026/06/14(日) 20:17 No.4 EDIT DEL
ポーラ
白淵孤 羅風坐 (はくえんこ らふうさ)

1000年は生きている九尾の狐の神妖。

元々は人間を見下していたが、小道と対峙し、敗北した。

大きく力を使った結果、現在は子どものような見た目になっている。

小道に精気を流し込んでもらうことで大人の姿になることもできる。

2026/06/18(木) 21:58 No.1 EDIT DEL
ポーラ
達名数未(たつな かずみ)

年齢は19だったが、ハクエンによる妖術で幼い姿に変えられた。

隣街の加恵市出身で両親は社長をしている大金持ち。

しかし退魔士になるために家を啖呵を切って出てきてしまい、貧困にあえいでいたところを様々な事件に巻き込まれた結果、笠原家に転がり込む形になった。

頭はさほど良くはなく、直感で動いてしまうタイプ。

しかし悪知恵は働く模様。

退魔士としての実力は下の下であり、退魔スマホを使ってようやく戦えるほど。しかし自分の実力が分かっていないようで、危険な怪異にも平気で首を突っ込む。
2026/06/20(土) 21:54 No.2 EDIT DEL
ポーラ
笠原小弥(かさはら こや)
 笠原小道らのご先祖。かつて山の妖怪を鎮めるのに自らの命を引き換えに封印を行い死亡。享年14(現代換算)。しかし封印が解かれたことにより、霊として現世に復活。現在は笠原小道に憑いている。退魔師としての実力は歴代の中でもあまり高くない。小道と魂でリンクした結果彼女の霊力の増加の一端を担っている。
2026/06/23(火) 21:59 No.3 EDIT DEL
ポーラ

小道「……お前あの祠壊したのか?」

小道「お前……そもそも“この山に夜に立ち入るな”って両親に言われていなかったのか?」

小道「仲間たちとつるんで肝試し、か。若気の至りで間違いを犯すのは勝手にすればよいが、このままでは村に禍がふりかかる」

小道「……ここにいるんだ。“あれ”は私がどうにかしてくる」


2026/06/26(金) 22:14 No.4 EDIT DEL
ポーラ

小道「こいつ自体は大したことのない地縛霊だ……」

小道「だが、この山自体の因縁は相当昔からあるようだな」

小道「笠原流奥義“散弓月”―――!!!」

その日山に大きな風穴があいた。そこにはかつて村八分にされ、最後に生贄として生き埋めになった男の体が当時のまま残されており、散弓月により消し飛ばした後には、何も残っていなかった。

2026/06/28(日) 21:48 No.5 EDIT DEL
ポーラ

小道が手に持っている刀は“鬼斬国祓(おにきりのくにはらえ)”。

笠原家に代々伝わる伝統の刀であったが、江戸時代初期に“聖剣草薙”と“天神”を鎮めるために、大宰府に眠っていたが、そのどちらをも打ち倒して小道のものとなった。

退魔専用の刀であり、退魔師以外が使おうとしても、ただの鉄の棒になる。

また、小道が非常に強い邪気と戦っている気配を感じると、どこからともなく飛んでくるらしい。


2026/06/30(火) 21:45 No.6 EDIT DEL
ポーラ

ちなみに彼女―――笠原小道には学生時代に大きな功績がある。

彼女は自身の通う高校“吉瀬替高校”で野球部の主将を務めており、彼女が3年生の代には甲子園出場。そして準優勝を飾ったのである。

彼女は主将兼4番打者としてチームをけん引していた。


2026/07/01(水) 20:59 No.7 EDIT DEL
ポーラ
小道「野球と退魔師、今はどちらもがんばってるぞ。野球の方は、地元の草野球チームに所属しているんだ」

小道「近所に住む、吉瀬にゆかりのある人たちばかりだから、気楽で楽しいぞ」

甲子園経験者……それも4番打者であった経験もあり、草野球では脅威だという。
2026/07/02(木) 22:34 No.8 EDIT DEL
ポーラ


退魔師という仕事は、笠原家の女性が代々受け継いでいる裏家業である。

その始まりは平安時代末期。朝廷から征夷大将軍の肩書を引っ提げた源頼朝を襲い掛かろうとした妖がいた。

当時はまだ人間と妖の距離が近かった時代である。

そんな妖の攻撃から頼朝を救った当時の御家人こそが、現在の笠原家の始祖にあたる。

笠原家はその後時代を経る中で、歴史の重要人の裏で妖たちと戦いを繰り広げていたのである。

その妖の中でもっとも手ごわかったのがハクエンだった。


2026/07/05(日) 22:23 No.9 EDIT DEL
ポーラ

清原子春(きよはら こはる)

吉瀬地方にある2つの神社と、そこから大きく離れた村の祠を守る巫女。

吉瀬地方に古くから住んでいる豪族清原氏の子孫であり、自身の祖神である杜清姫命(もりのきよきひめのみこと)通称、清原真人(きよはらのまひと)を祀る吉瀬清原神社

近頃まで廃社も同然だったが、土地開発の煽りを受けて再興することになった、光雷弥宮天大明神(こうらいやくうてんだいみょうじん)、通称、吉瀬郡司(きせのぐんじ)を祀る吉瀬弥宮神社。

天狗に代々贄を施し、代わりに神通力を得るという因習を続けてきた謂れの村を戒めるために立てられた祠。

この3つを管理する、由緒正しき巫女である。どの神社も基本的に人通りの多いものではなく、経営はあまりよろしくない。

そのせいか神に遣える身でありながら、あまり信心深くなく、結構現実主義。
2026/07/07(火) 21:28 No.10 EDIT DEL
ポーラ

百済王咲楽(こにきし さくら)

こ“にきし”である。こ“にしき”ではない。

 仏僧。かつて朝鮮半島を支配していた国家「百済」の王族の末裔。

先祖は百済の滅亡と共に日本にやってきて貴族化し、文官として日本の政治を支えた。

後に寺社を司る僧侶としての地位を確立し、現代まで脈々と血筋が受け継がれてきている。現在は百済寺の僧侶として日々修行している。

苗字の読み方は、百済王が百済語で「こにきし」と呼ぶことから。ちなみに彼女には両親から受け継がれてきている百済語の名前(真名)がある。

 神の力を授ける巫女や、神の福音を与えるシスターと違い、仏の力は肉体や精神の回復に充てられる。しかし悪霊や鬼にとっては非常に強力な呪文を唱えることができる。
2026/07/09(木) 21:57 No.11 EDIT DEL
ポーラ

咲楽「……陰鬱な場所ですね……ここは……」

――ここは吉瀬地方にある、工業地帯の団地である。

墓終いをしたいという、とある老夫婦の家を訪れた帰り道で通りかかった咲楽は、この団地を見てそうつぶやいた。
2026/07/11(土) 22:05 No.12 EDIT DEL
ポーラ

――――1番上の階層を見ると、1人の人間が立っているのが見えた。

――――なんだか嫌な雰囲気である。ただ景色を見下ろしているのだとしても……全てに絶望して投げだそうとしていても……

咲楽「嫌なものと目が合ってしまいました……念のために110番しておきましょうか……」

もしまだ命ある人間ならば、目の前で命を投げ捨てる姿を見なくて済む。

仮にもうすでに命の無い存在なのだとしたら、そのときは「何かと見間違えた」とでも言えばいいだろう。

咲楽「……あら……圏外……」

咲楽の背中に冷たい汗が流れ始めた。
2026/07/13(月) 22:02 No.13 EDIT DEL
ポーラ

ここは街中……普通の住宅街なのである。

こんな場所で電波が切れるなんてことはあり得ない。

咲楽(やっぱり霊障ですか……仏僧に対して仕掛けてくるなんて……相手の力量を見極められない低級の霊でしょうか……)

咲楽(それとも……私程度であれば飲み込めると判断した強い霊なのでしょうか……)

気が付くと、先ほどまで屋上にいたはずの黒い影が、彼女の目の前にまでやってきていた。

その姿は、まるで咲楽の影のように、同じ形をしている――――
2026/07/14(火) 21:54 No.14 EDIT DEL
ポーラ

咲楽「ま……まずい……!!!」

その刹那、影が真っ二つにちぎれた。

影であるにも関わらず、実体を持った物理的な衝撃があったかのように、きれいに2つにちぎれていた。

小道「…ふぅ……。大丈夫か?咲楽」

目の前にいたのは、彼女もよく知る退魔師だった。


2026/07/16(木) 22:10 No.15 EDIT DEL
ポーラ

咲楽「助かりました……。とても嫌な雰囲気でしたから、もしかしてと思ったのですが……やはりですか」

小道「あぁ。まごうことなき悪霊だ。この団地全体から嫌な気配が漂ってきている。―――だが……」

咲楽「どうかしたんですか?」

小道「ここは元々賑わっていた団地でな。私の学生時代の同級生にもここ出身のやつがいて、私も遊びに行ったこともあるんだが……こんな陰鬱な場所じゃなかったはずなんだ」

咲楽「たった数年間で雰囲気が変わってしまったということですか?」
2026/07/19(日) 22:34 No.16 EDIT DEL
ポーラ


小道「いや違う。“急に”ここで陰鬱な雰囲気が漂い始めたんだ」

咲楽「急にって……仮に本当に急だったとして……なんでそんなことが……」

小道「分からない。何か得体のしれない怪異がこの団地に住み着いているとしか……」

咲楽「気配があるのですか?」

小道「……それが……ないんだ……」
2026/07/21(火) 21:52 No.17 EDIT DEL
ポーラ

小道「嫌な気配の元になりそうなものは、建物からは感じないんだ。あるとき前触れもなく突然、嫌な雰囲気を持った人間や影が現れる」

咲楽「そうすると……どこかからか嫌なものが飛んできているということでしょうか……?」

小道「だとしたらどこに行けばいいんだ……」

咲楽「ひとまず私の寺に来て、あの団地のことを調べてみませんか? 協力します」

小道「いいのか!?」

咲楽「影から守ってくださったお礼です」
2026/07/23(木) 22:08 No.18 EDIT DEL
ポーラ
咲楽「まずネットで調べてみましょうか」

小道「そうだな……。実際に様子を見た感じや、周囲の人の聞き込みをした感じ、特に妙な噂が立っているという感じではなかった……」

咲楽「ん……? 妙ですね……。地図アプリを開いたのですが……あの団地の名前が載っていません…」

小道「どういうことだ?」

咲楽「……地図アプリから、あの団地そのものが消えているんです……」

小道「そ、そんな馬鹿な話があるか……! あの団地は私が子供のころからある団地だぞ」

咲楽「……地図アプリからじゃなくてブラウザの地図機能を見てみましょうか……こっちには……写らない……なんで……」
2026/07/25(土) 22:18 No.19 EDIT DEL
ポーラ

達名「そういうときはな、過去ログを探ってみるといいぞ」

咲楽「過去ログを……?」

達名「ここを…こうやって……」タンタタンタン

達名「もし何かページに変化があったときは、前のデータから変えたぞってことがどこかに記録として残ってるはずなんだ。それを探せばいい。これは大手サイトの地図アプリだから少し探すのに手間取るが……うーんと……」


達名「あったぞ……!! お前が言った通り、団地があった」


2026/07/26(日) 22:01 No.20 EDIT DEL
ポーラ

小道「なんでログが、サイトから消えてるんだ?」

達名「それはさすがに分かんないよ」

咲楽「さすがに大手サイトが自分たちの判断で消したとは思えません……。言っては悪いですが、どこにでもありそうな普通の団地ですし……」

小道「悪意ある者に消されたってことか?」

咲楽「でも……悪意があるなら、むしろ目立つようにしません? 何か悪いことに使おうとするなら、もっと目立たせて、利用しやすいようにしそうなものですけど……」

小道「確かにな……」

咲楽「もしかして……“消えた”んじゃなくて“消した”……?」

小道「どういうことだ?」

咲楽「もしかすると……あの団地の存在そのものを消すことが目的なのかもしれません……」
2026/07/30(木) 22:21 No.21 EDIT DEL
ポーラ

??「くっくっく……。よく気が付いたな……。退魔師…そして僧尼よ」

小道「お…お前は……!!」

DCⅡ「Devils Cradle…忘れてなんていないだろう?」

小道「……なんでお前がこんな団地に……」

DCⅡ「ただの実験さ。『自サツの名所である風説を流して、その通りにここでそれをする人が増えるのか』……。インターネット上でしか存在できないこの私が、現実世界に干渉する方法を模索していた。そして、そのままこの団地ごと消す予定だった」

小道「…なんてことを。だがそんなことをぺらぺらとしゃべっていいのか!?」

DCⅡ「ああ。もう私の目的、データ収集は終了した。本当はこの団地を黄泉送りにする予定だったが……お前がいると面倒だからな。今回は撤退させてもらう」

小道「に、逃げるのか……!!?」

DCⅡ「…バカを言え。私は目的を達成している。この団地はすでに、『自サツの名所』になり、『黄泉に近い場所』となり果てた。いわば私の勝ち逃げだ」

小道「ふざけるな……!!」

DCⅡ「そして面白いことに、私が現実世界に干渉する方法はこうして見つかったが、お前たちがインターネットに介入する方法は何一つ存在しない。これほどまで優位な立ち位置があるか?」

DCⅡ「お前たち人間になすすべなどない。次はもっと――――」ザシュッ

小道「…ちくしょうっ!!!」
2026/08/02(日) 22:33 No.22 EDIT DEL
ポーラ


DevilsCradleⅡ またの名を“悪魔のゆりかご”。

アメリカのとある場所で、ヒトのクローン胚を大量に箱の中に閉じ込め、生き残った唯一の細胞の電子データ。つまるところ“コトリバコ”と“蟲毒”のキメラである。


元々はアメリカで悪魔崇拝によって作り上げられた化け物だったが、その遺伝子情報がデータとしてネットの海へ流されてしまい、インターネットを介した現代社会のインフラの影に潜む怪異と化した。

ハクエンを味方にし、因縁の相手がいなくなった笠原家に降りかかる新たなる宿敵ともいえる。

見た目は依り代の1つとして用いられた北米の大御国津神“豊広観眼命”に近い姿をしている。
2026/08/06(木) 22:35 No.23 EDIT DEL
ポーラ

小道「とりあえず団地の情報は元に戻すことはできたみたいだな……」

咲楽「陰鬱な雰囲気もそのうちなくなると良いのですが…」

小道「私も今後しばらく何度か様子を見に来ることにするよ」


2026/08/08(土) 22:23 No.24 EDIT DEL
ポーラ
それは、まだ私が小学生だった夏の日。

母方の両親はすでに他界し、父方の両親は近所に住んでいる都合から、“帰省”という概念がなかった私は、お盆になってもどこへ行くこともなく家の周りで遊んでいた。

しかし同級生の子たちは両親の実家へ帰省することも多く、やることといえば精々毎日の素振りの練習と、公園へ妹と一緒に遊びに行くぐらいのことしかなかった。

そんなある日のこと、公園で奇妙なものを見つけた。

その公園はいわゆる自治会館を兼ねている地元の子たちが遊ぶような小さな公園で、ブランコと鉄棒と面積としてはさほど広くない広場で構成された、これといった特徴のないものだった。

その公園には水飲み場があって、水を飲むようにできている上に向けて噴出する蛇口と、手を洗うように下に向けて噴出する蛇口の2つがあった。

その蛇口から、勝手に水が流れているのだ。この蛇口は押したらしばらくの間水が出て勝手に止まるタイプのもので、出しっぱなしになることはあり得ない。

そして何より奇妙だったのが、その水の色がどす黒い赤色だったのだ。
2026/08/10(月) 21:47 No.25 EDIT DEL
ポーラ

誰もいない公園―――聞こえるのはセミの騒がしい鳴き声だけ。

勝手に流れ続けるどす黒い水。まだ幼かった私はこの場所にいることに恐怖を覚え、その場を去ろうとした。

しかし、私は結果的にその場で固まることになる。

炎天下…無風の公園でなぜか揺れ動くブランコ。

風になびいてキィキィと揺れているのではなく、人間が作為的に動かさないとできないような動き。

それを見た瞬間、私は動くことができなくなった。

ブランコが揺れるたびに、鉄鎖がきしむ音が甲高い音が聞こえる。

その音が、私の足に釘でも刺したかのように、私を動けなくしていた。


2026/08/11(火) 22:49 No.26 EDIT DEL
ポーラ

公園にいつの間にか子どもたちの声が聞こえ始めていた。

自分と同じぐらいの年齢の子たちが、男の子も女の子も分け隔てなく楽しく遊んでいる―――そんな声だけが聞こえてきた。

姿はない―――あるのは影だけ―――

私はその場からますます動けなくなってしまった。動いてしまったら――もし私が影に気づかれてしまったら――私は今にもあふれ出しそうな絶叫を必死に喉奥でせき止めながら、瞳からこぼれそうな涙をこらえ、その場でただ、それが終わるのを待っていた。
2026/08/14(金) 22:27 No.27 EDIT DEL
ポーラ

――――ち

――――…みち!

――――小道!

「!?」

驚きのあまり声すら出せずに、肩が大きく震える。

目の前には母上がいた。母上は私の肩に手を置き、優しい表情でほほ笑んでくれている。

「何ボーッとしてるの。早く帰るわよ。遅くまで遊んでいたら、お父さんと剣道の練習できなくなっちゃうわよ」

今さっきまでそこに“いた”影は、もうどこにもいなくなっていた。

ブランコも揺れていないし、子供たちの声も聞こえない。静かな公園に戻っていた。

「あの……母上……」

「……おうちに帰って、ご飯でも食べなさい」

母が私の手を握り、家路へと優しく引っ張っていく。

それはある日の夏のちょっとした出来事だった。
2026/08/16(日) 22:22 No.28 EDIT DEL